花村 萬月
皆月 (講談社文庫)

再読である。

読んだけど、印象が薄かったってことだろうか。


ストーリーは、”コンピュータ”オタクの40歳の主人公が、せっかく貯めていた1千万円を持って、妻が浮気相手と逃げた。

全てを失った失意の主人公は、妻のやくざ者弟、ソープ嬢の助けを借りながら、逃げた妻を捜すたびに出る。


ある面では、エロス的な本だけれど、中年男性の再生の話でもある。

最後は、なぜか、火曜サスペンス風の逃走劇。

でも、テーマは、やはり、月なんだよね。


「みんな、月だった」

大体、皆んなが月なんだよね。”太陽”的な人はそんなにいないよね。


”太陽”的っていえば、一体誰だろうか。

でも、月も悪くないよね。

月的な人生も味があるんだね。