地方の新聞で2月13日から角田光代さんの連載小説「紙の月」が始まった。


角田さんは1967年神奈川県生まれ。

90年「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞し、小説家としてデビュー。

「ぼくはきみのおにいさん」で坪田譲治文学賞

「対岸の彼女」で直木賞

「ロック母」で川端康成文学賞

   など数々の文学賞に輝き、ますます脂が乗る人気作家です。


今回の作品は、夫との生活に物足りなさを感じる銀行の派遣社員梅澤梨花が生まれて初めてとも思える恋に落ち、四億円を横領する事件をめぐり、恋愛を通して本当の自分を見つめる女性と、彼女を通して人生を考える友人たちの心情を繊細につづる恋愛小説です。


今日は、連載38回目。

主人公の梨花。

知り合った良輔にホテルに誘われ、最少は断っていたが、いつのまにかホテルに行くようになり、

ホテルの1室でBとまりであったが、次第に抵抗感がなくなり、酔っていたとはいえ、ついに性交にいたる。

ただ、良輔との性交は今までにない快楽。

夫とはずいぶんご無沙汰だったことに気づく。


角田さんらしい展開なんだろうか。

これが、恋の始まりであり、とんでもない大金の横領につながるとは思わないだろう。

ブログネタ:今年の抱負をどうぞ! 参加中

本文はここから

今年も買いました。「このミステリーがすごい!2008年版」を購入。

  • 国内第一位「警官の血」著者/佐々木譲
  • 海外第一位「ウォッチメイカー」著者/ジェフリー・ディーヴァー
  • 今年は、この中の何冊を読めるだろうか。

    国内1位「警官の血」著者/佐々木譲

    国内2位の赤朽葉家の伝説  (桜庭一樹)

    海外第1位のウォッチメイカー  (ジェフリー・ディーヴァー)

    などは読んでみたいですね。

    真山 仁
    ハゲタカ(上) (講談社文庫)

    『バブル崩壊から15年余り。「失われた10年」を経てもなお、日本を覆う混沌の闇が晴れる気配はない。ただ一つ、誰もが知っているのは、このままでは日本は確実に死に絶えていくということだけ。そして、グローバルスタンダードの名の下、外国資本が雪崩を打って日本に来襲。日本の命運を大きく左右するまでに至っている。ある人は、彼らを“救世主”と歓迎し、ある人は、彼らを“悪魔”と怖れる。彼らの名は、「ハゲタカ」。傾き始めた企業に死の臭いをかぎつけ、彼らの債権や株を安く買い漁ると、一気に買収へと乗り出す神出鬼没の集団。銀行では、再生不可能な企業を僅か5年足らずで蘇らせ、何処へともなく飛び去っていく。彼らにとって大切なことは、ただ一つ。「安く買って、高く売る」こと。彼らが飛び立った後には、時に屍の山が残り、時に見まごうばかりの光り輝く企業が出現する。果たして「ハゲタカ」とは、何者なのか。情け容赦なく利益を吸い取るただの略奪者なのか。それとも、日本に奇跡の復活を遂げさせてくれる白馬の騎士なのか―。 』


    NHKのドラマ「ハゲタカ」の影響で読む始める。

    ドラマとは別の話であるが、小説も小説らしい展開で楽しめる。

    日本社会の一つの再生のビジョンだろう。

    政治の世界にも、ハゲタカによる再生が必要なんだろうけど・・・



    海堂 尊
    チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ [宝島社文庫] (宝島社文庫 599)

    チーム・バチスタ。

    東城大学医学部付属病院の心臓移植の代替手術、バチスタを専門とするスーパーチーム。

    そこで予期せぬ連続術中の死亡。

    果たして医療事故かそれとも、殺人か。

    上巻は、出世から外れた万年講師田口が、不幸にも医院長から内部調査を依頼され、投げ出すまでを描く。

    下巻は、厚生労働省から派遣された白鳥が、さっそうと、いや相手を誘発しつつ、事件を解決するまでを描く。


    さすがにベストセラーとなった作品だけに、読ませる。

    医学、特に外科手術などテレビのERでしか見たことのない私であるが、想像はある程度できるわけだから、その筆力たるや・・・


    田口と白鳥のキャラクターが面白い。たぶん、ここが肝心なんだろう。


    医療界の問題をサブテーマとしつつ、完全犯罪をもくろむ犯人の動機が最後まで不可解さを残すところが、現代の世相を表しているのだろうか。


    映画化もされる本作品、シリーズ化した作品も楽しみだろう。

    TBSでガンダムの新シリーズが始まる。

    ガンダムシリーズは、いわゆるファーストガンダム時代の戦争への恐れなどの感覚が次第に薄れ、モビルスーツのかっこよさ、主人公の美少年化による人気の確保という変遷を経ている。


    今回も、戦争のために戦争をするという不自然さが主題のようだ。

    主人公は死への恐れがまるでない。

    まさにゲーム感覚で戦争へ参加をする。

    ガンダムに登場するのは4人。

    いずれも、美少年。

    ガンダムが4機。

    何れもタイプが異なる。


    それにしても、ガンダムはどうして出来て、どうしてこんなに強いのか。


    なんだか、まさにバンダイの商魂たくましさから出来たような作品だが、さすがにそのスピード感はすごい。

    結局は、ゲームとしてもモビルスーツとして楽しむべきだろう作品だし、そこになんらかにメッセージ等期待しないで見る分楽しめるだろう。

    正義って、言うほど確かでない。

    それが分かって、見るべき作品だろうか。

    伊坂 幸太郎
    チルドレン (講談社文庫 (い111-1))

    如何にも、伊坂幸太郎作品なんだろうけれど、とぼけ度というか過激度あるいはお色気度、は奥田英朗の伊良部には負けるだろう。


    同じ伊坂作品でも「死神の精度」の方が味がいい。


    たぶん、チルドレンの陣内が、決して1人称では語られない。そんなところが、そんな感じをもたせてしまうのだろうか。


    トリックといい、短編でありながら、つながっていく手法といい、伊坂ならでは、作風で、チルドレンは続いていくのだろう。

    子どもの問題は、永久に謎だらけなのだから(苦笑)

    花村 萬月
    皆月 (講談社文庫)

    再読である。

    読んだけど、印象が薄かったってことだろうか。


    ストーリーは、”コンピュータ”オタクの40歳の主人公が、せっかく貯めていた1千万円を持って、妻が浮気相手と逃げた。

    全てを失った失意の主人公は、妻のやくざ者弟、ソープ嬢の助けを借りながら、逃げた妻を捜すたびに出る。


    ある面では、エロス的な本だけれど、中年男性の再生の話でもある。

    最後は、なぜか、火曜サスペンス風の逃走劇。

    でも、テーマは、やはり、月なんだよね。


    「みんな、月だった」

    大体、皆んなが月なんだよね。”太陽”的な人はそんなにいないよね。


    ”太陽”的っていえば、一体誰だろうか。

    でも、月も悪くないよね。

    月的な人生も味があるんだね。










    中谷 美紀
    インド旅行記〈1〉北インド編

    中谷美紀のインド旅行記。

    合計4回旅行している。

    どちらかというとエッセイ風。旅行しているというよりは、ヨガを通して、休養を取っている感じがする。

    ちょうど、「嫌われ松子の一生」という映画を撮り終えてから旅行したという時期は、女優中谷美紀にとっては、そういう時期だったのだろう。

    一人旅と言っても、現地ガイドさんやヨガの先生との交流があり、それが旅の主題のようであった。

    読んでいる人にとっても、旅行記という緊張感はなく、いい意味で女優のエッセイだなあって思えた。

    この後も、続きがあるようであるが、とりあえず、続きは読む予定はない。

    また、疲れたと思ったときに、読むことになるだろう。